SUSE Enterprise Storage 7 主な新機能とは

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先日 SUSE Enterprise Storage 7 (SES 7) を発表したばかりですが、今後下記ブログを投稿しSUSE Enterprise Storage 7 をもう少し深く掘り下げたいと思います:

  1. Upgrade your cluster before the end of life of SUSE Enterprise Storage 5.5 (SES 5.5サポート終了に伴うクラスタ更新)
  2. Deeper Look at SUSE Enterprise Storage 7 (SES 7 主な新機能) *このブログです
  3. Ceph native Windows client driver (CephのネイティブWindowsクライアントドライバ対応)
  4. Kubernetes and SUSE Enterprise Storage 7 (KubernetesとSUSE Enterprise Storage 7)

主な更新内容

SES 7 の主な変更点:

  1. 2つの導入オプション
  2. ネイティブWindowsクライアントドライバ対応
  3. Caphダッシュボードのアップデート
  4. Ceph Octopusコア更新。Ceph OctopusはCephコミュニティの最新メジャーリリースであり、SES 7 のもとになるCephリリースです。
  5. さらにベースOSを SUSE Linux Enterprise Server 15 SP2 へ置き換えることで対応ハードウェアを増やし、より最適化しました。

各更新情報についてご説明します。

導入オプション

SES 7 には 導入オプションが 2つあります:

  • スタンドアロンクラスタとして利用したい場合、SaltベースのDeepSeaを用いた導入ツールは、cephadmおよびceph-saltを中心とした新しいフレームワークへ置き換えられました。 Cephadmは、SUSEエンジニアリングチームが開発を主導した、コミュニティで開発された導入ツールであり、 既存の3つのアップストリームスタック (DeepSea, ceph-deploy, ceph-ansible) を置き換えます。この新しいフレームワークは、追加の使いやすい導入方法や day 2オペレーションのベースとして利用されます
  • Kubernetesを実行していて、Kubernetesノードをストレージノードとして使用する場合は、SES 7 においてRookを用いてKubernetesクラスタ上に導入できます。詳しくは、今後投稿するフォローアップ記事をご覧ください

いずれの導入オプションも同じCephコードベースを使用し、同じコンテナイメージを共有します。活用状況を確認してどちらが自分に適しているかを判断してください。 SES 6からアップグレードする場合は、最初のオプション (スタンドアロンクラスタ) を使用します。 Rookを使用して導入する場合は、新規インストールのみサポートします。

スタンドアロン環境における cephadm や ceph-salt の利用

2つのコンポーネントの活用法について説明します:

  • ceph-salt は、タイムサーバの設定や必要なパッケージのインストールなどホスト (OS) を管理し、cephadmをブートストラップを行います
  • cephadm は、Ceph自体の管理を行います 

ceph-saltは初期ブートストラップに使用され、既存のストレージクラスタにノードを追加し、これらのノードのOSにパッチを適用し、必要に応じてクラスタを再起動も行えます。 「ceph-saltconfig」コマンドを使用すると、クラスタを簡単に初期構成できます。

ceph-saltがOSのセットアップを完了すると、cephadmはCephを構成し、すべてのコンポーネントを起動します。 ceph-saltがOSを更新している間、cephadmはすべてのノードで新しいコンテナイメージを出力することによってCephクラスタを更新します。 cephadmは、Cephオーケストレーターとも統合して、必要に応じて追加のデーモンをインストールします。 「ceph」コマンドラインツールとCephダッシュボードを介して、Cephオーケストレータと対話できます。

Ceph ダッシュボードの機能拡張

Cephダッシュボードは、ceph-orchestratorと統合され、cephadmとも連携して、OSD、Rados、iSCSIゲートウェイなどのサービスを導入できるようになりました。ダッシュボードからOSDディスクも追加できます。この統合を継続して、Cephダッシュボードで day 2オペレーションをさらに処理できるようにする予定です。

ユーザアカウント処理対応により、セキュリティが向上しました。管理者は、パスワードポリシーを構成し、最初のログイン時にパスワードの変更を要求し、ユーザアカウントを無効にし、ユーザロールを簡単に複製できるようになりました。

全体的なユーザインターフェイスも強化しました。SUSEの新しいブランドを使用するだけでなく、ナビゲーションメニュを左端に変更しとテーブルの複数選択を使用して一括操作を実行することで特に優れたユーザ操作を実現します。

Cephダッシュボードの新機能の詳細については、テクニカルリードのLenz Grimmerが、「Octopusの新機能: ダッシュボード機能強化」と「Octopusの新機能: ダッシュボード機能」の記事で説明しており、CephダッシュボードのSUSEエンジニアリングリードも務めています。

Ceph コアのアップデート

Ceph自体に対する多くの改善点のうち、パフォーマンス、Rados Block Device (RBD)、およびヘルスアラートの3つの領域を紹介します。

RGWバケットのリストが大幅に改善されました。オブジェクトの変更された部分のみをコピーする必要があるため、オブジェクトの復旧がはるかに高速になり、リカバリ中の待ち時間が短くなります。

ブロックデバイスのミラーリングでスナップショットベースモードがサポートされるようになり、ディスクのクローン作成により、もとになるオブジェクトのまばらさが維持されるため、必要なストレージが大幅に削減されます。

ヘルスアラート機能が改善され、一時的または永続的にミュートできるようになりました。デーモンがクラッシュした場合、管理者は通知を受けることができます。新たに対応した「シンプルな」アラートモジュールにより、外部のモニタ機能を使用せずにメールを送信できます。

新しいリリースに伴う変更点の詳細については、Cephアップストリームのリリースを担当しているSUSEの技術者 Abhishek Lekshmananによる発表 Ceph upstream release announcement を参照してください。

SES 7 の対応内容や新機能、Rookリリース状況について詳しくは、以下のリリースノートよりご覧になれます。

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