コンテナワークロードを自動車で実行
最新のソフトウェアスタックにおいてコンテナは、不可欠な要素となっています。コンテナはクラウドコンピューティングにおいてデファクトスタンダードで、強力な分離、セキュリティ、ポータビリティの向上、そして、一貫したオペレーションを提供します。これらはすべて、開発アプローチをより優れたものにしていきます。
SUSEはすでに自動車業界と協業しており、SUSE Linux Enterpriseは自動車で稼働しています。私どもは、自動車や自動車をサポートするインフラストラクチャで実行されるワークロードのほとんどを実行するベースとなるオペレーティングシステムを作りだす事を目標としています。また、SUSEはELISA、Eclipse SDV、SOAFEEのメンバーでもあります。ELISAは、安全アプリケーション向けのLinuxの実現を目指しています。Eclipse SDVとSOAFEEは、自動車向けのオープンクラウドネイティブスタックの提供を目指しています。
Software-Defined Vehicle(SDV)への移行により、クラウドコンピューティングとハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)が接近し、エッジアプリケーションが活躍するようになります。自動車業界は、今日のクラウドで使用されているベストプラクティスと標準機能を活用して、明日の高品質な車載ソフトウェアを実現していけるのです。
Kubernetesは、クラウドでのワークロード実行環境の標準の選択肢になっています。次世代のSDVを開発していくためには、業界がこの分野の知識と専門性を活用することが極めて重要です。既存のオープンスタンダード、コンセプト、ワークフロー、ソフトウェアを再利用することで、自動車アプリケーションの多様な要件、すなわち優先順位やパフォーマンス、安全性、その他などへの対応が容易になります。
SUSEは、K3sが車載のコンテナに最適だと考えています。オーケストレーションに関して言えば、K3sはエッジ環境に最適化されています。K3sは、無人でリソースに制約のある、遠隔地の本番環境のワークロード向けに設計されています。現在生産されている新車両は既にインターネットに接続されており、K3sのユースケースにマッチしているのです。
K3sは、Raspberry Piのような小さなものでも、Ampere Altraサーバーのような大きなものでも動作します。サーバークラスタは、1つまたは多数のノードを持つことができます。すべての自動車ユースケースに適合する、とはいいませんが、ほとんどのケースに適合します。K3はKubernetesと同じソースコードを活用しています。バニラKubernetes(K8s)と比較すると、K3sには依存関係が少なく、エッジワークロードには不要なコンポーネントも除かれています。
K3sは、Cloud Native Computing Foundationの公式プロジェクトで、軽量で強力な同foundation認定のKubernetesディストリビューションです。
SUSE Linux Enterprise、SUSE BCI、およびRancherをK3sと一緒に使用すると、自動車でKubernetesを実行するための完全な基盤ソリューションとなり、一気に未来へのビジョンが広がります。
K3sとコンテナオーケストレーションは、すべてのワークロードに対応したソリューションではありませんし、また、KubernetesやK3sは、ソフトウェアスタックに複雑なレイヤーを追加することになります。このような理由のもと、Podmanは特定のシナリオのもとでは優れた候補になると考えています。Podmanは、SUSEで使用されているサービスマネージャであるsystemdと良く統合されています。Podmanは、制限付きではありますが、Kubernetes YAMLでコンテナ、ポッド、ボリュームを作成することも可能です。
K3sとPodmanは車載での最適な組み合わせです。K3sはK8sのようなオーバーヘッドや複雑さのないKubernetes互換ディストリビューションですし、PodmanはKubernetesディストリビューションではありませんが、Kubernetesと良く統合されています。
Software-Defined Vehicleというエキサイティングな新しい世界へのダイブを楽しんでいただけたなら幸いです。
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