AWSでの SAPランドスケープのダウンタイムにグッバイ!
ミッションクリティカルなSAPシステムをAWS上に構築する場合、ダウンタイムの最小化と障害に耐える設計は最優先事項の1つです。AWSのWell-Architected設計原則には「信頼性」が含まれ、ソリューションの可用性を議論するために使用されます。計画外のダウンタイムが発生する可能性を低くし、生産の遅延や生産性の低下、収益の損失、あるいはビジネスの評判の低下など、ビジネスへの悪影響を抑えるためのデザインパターンがいくつも存在します。
SUSEとAWSは協力して、AWS上のSAPの高可用性と高信頼性のためのアーキテクチャガイダンスに従った、SAPの活用向けのAWS Well-Architected高可用性ソリューションを提供しました。
- インフラストラクチャの可用性と信頼性を向上させる
AWSでは、単一障害点を排除し、クラウドインフラの耐障害性を高めるために多大な努力を払ってきました。例えば、アベイラビリティゾーン内のハードウェア障害からの保護としてEC2インスタンスリカバリ、また、アベイラビリティゾーンの障害に対する保護としてマルチアベイラビリティゾーン設計があります。しかし、AWSの信頼性や可用性に対する機能は、アプリケーションレベルの可用性を保証しないので、アプリケーションとインフラのレイヤーに対応したサードパーティの高可用性ソリューションが必要になります。
- 広範な監視
多くの場合、大規模な障害は小さな問題の積み重ねの結果です。そのため、SAPの状況への洞察を深め、小さな問題を発見し、タイムリーに修正することが、大規模な障害を防止するために重要です。
AWSはCloudWatch Application Insightsを提供し、SAP HANAデータベースの監視を可能にします。これは、アプリケーションリソース全体の主要なメトリクス、ログ、およびアラームを特定し、設定します。メトリクスとログを継続的に監視し、異常やエラーを検出し関連付けます。エラーや異常が検出されると、Application InsightsはCloudWatch Eventを生成し、これを元にした通知を設定したり、アクションを実行したりすることができます。
SLES for SAP Applicationsの一部であるSUSE Project Trentoは、AWSインフラストラクチャにおけるSAPシステムの問題、特に高可用性クラスタにおける問題を発見、監視し、積極的に修正します。また、システムを本番稼動させる前の、直前の障害や停止を回避するための強力な本番稼動前検証を提供します。デイツーの運用では、本番システムを継続的に監視し、障害につながる可能性のあるドリフトを検出します。詳細は、Project Trentoのランディングページでご覧いただけます。
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- 信頼性の高い自動フェイルオーバー
SUSEはSAP向け高可用性ソリューションのリーダーであり、SAP HANA、S/4HANA、NetWeaverアプリケーションの自動フェイルオーバーをサポートしています。このブログでは、HAシナリオについて詳しく説明します。
AWS上で稼働するSAP HANAのためのHAソリューション
HANA System Replication(HSR)はHANAのネイティブHA機能ですが、そのフェイルオーバーはサードパーティソリューションの力を借りなければ自動化されません。SUSEでは、確実に問題を特定し、タイムリーにフェイルオーバーを実行するためのソリューションを開発しました。
シナリオ | 構成ガイド | 備考 |
HANAシステムレプリケーション:スケールアップ、パフォーマンス最適化 | STONITHの仕組み: AWS EC2 STONITH
バーチャルIPの仕組み: |
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SAP HANA マルチターゲット システムレプリケーション:
スケールアウト-パフォーマンス最適化 |
HANA スケールアウト
マルチターゲットシステムレプリケーション レプリケーションモード : ローカルレプリケーションの「sync」、DRサイトへの同期を行う「async」 セカンダリは、テイクオーバーに追従して、新しいプライマリをとして自動的に再登録するよう設定可能です |
S/4HANAとNetWeaverの AWSでのHAソリューション
SAP S/4HANAとNetWeaverの場合、HAソリューションはASCS/ERSのエンキューレプリケーションをベースにしています。
シナリオ | 構成ガイド | 備考 |
SAP S/4HANA、 NetWeaverのASCS/ERSエンキューレプリケーション | 2ノードクラスタ
ENSA1対応 ENSA2をサポート バーチャルIPの仕組み: オーバーレイIPアドレス ルーティング |
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SAP HA-Interfaceの認定
SUSE の ENSA1 と ENSA2 の HA ソリューションは、SAP HA-Interface 認証を取得しています。これは、クラスタで動作する SAP アプリケーションのメンテナンスを行う際に、スプリットブレイン状態を防ぐために重要なものです。詳細はこちらのブログでご紹介しています。NW-HA-CLU_750の認定試験は、Amazon EC2インスタンス上で実施されます。インフラを提供してくれたAWSに感謝致します。
ライブパッチによるセキュリティコンプライアンスの維持
パッチ適用時に運用に影響を与えないことも、高可用性の重要な原則の1つです。SUSEは、Linuxカーネルとユーザスペースの両方にライブパッチを提供しています。ユーザースペースでは、glibcやOpenSSLなどの主要なライブラリのアップグレードには普通、再起動が必要です。SAP HANAはこの2つに依存しています。しかし、Linux Kernel とユーザースペースのライブパッチにより、お客様はミッションクリティカルなインメモリ HANA データベース運用に大きな影響を与える再起動(最大1年間)を回避することができます。
SLES for SAP アプリケーション
SLES for SAP Applicationsは、SAP HANA、SAP NetWeaver、およびSAP S/4HANAソリューション向けの主要なLinuxプラットフォームとして、SAPから支持されています。SLES for SAP Applicationsのふたつの主要なコンポーネントは、High Availability Extensionとリソースエージェントです。High Availability Extensionは、オープンソースのクラスターフレームワークであるPacemakerを提供します。リソースエージェントは、SAP HANA System Replication、S/4HANA ASCS/ERS ENSA2、NetWeaver ASCS/ERS ENSA1 の自動フェイルオーバーを管理します。AWSマーケットプレイスでは、SLES for SAP ApplicationsのPAYGイメージにLive Patchingが含まれます。
SUSEプレミアムサポートサービス
プレミアムサポートサービスは、ビジネスクリティカルな本番環境に対して詳細でそれぞれのお客様にカスタマイズしたサポートサービスを提供します。技術専門家からの直接サポートを希望する企業向けに最適なサービスです。プレミアムサービスチームは、SUSEのテクニカルサポート、製品管理、およびエンジニアリングによって支えられています。SUSE Premium SupportのエンジニアはHAソリューションの専門家でもあるため、HAソリューションを実装しているSAPのお客様にはぜひお勧めしたいサービスです。SUSE Premium Support Servicesは、AWS Marketplaceに掲載されています。
まとめ
SUSEはAWSと協力し、ミッションクリティカルなSAPのお客様をサポートします。お客様は、AWSクラウドで信頼性と可用性の高いシステムを構築し、SUSEのオープンソースの高可用性ソリューションを活用してSAPランドスケープを保護し、ミッションクリティカルなSAPワークロードを活用する恩恵を自信をもって享受することができます。
詳細はこちら
SUSEConでのセッション: AWS Launch Wizard for SAPを使用したSUSE HANAスケールアップクラスターのデプロイ【DEMO-1374】(英語のみ)
SUSEConでのセッション: SLE HAでAWS上のワークロードを保護する – ディープダイブ(英語のみ)
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