SUSE Linux で動く世界最速のスーパーコンピューター
2022 年を振り返ってみると、コンピューティングの世界で最も劇的な飛躍の 1 つは、エクサスケールの記録を打ち破ったスーパーコンピューターでした。1 秒あたり100京を超える計算を処理でき、世界で最も複雑なコンピューティングタスクを実行できるようになったのです。ほんの数例を挙げると、気候モデリング、天体物理学、ゲノミクス、医学、そして、より効率的なエネルギーグリッドのブレークスルーの舞台を用意できるようになりました。
Frontierと名付けられたこのスーパーコンピュータは、HPE Crayが米国エネルギー省のオークリッジ国立研究所と共同で開発したものです。Frontierの最も印象的な点は、これまでの「最速」スーパーコンピュータと比較した場合、その性能の高さでしょう。Frontierは、これまで世界第1位だったスーパーコンピュータの2.5倍の速度を記録しており、その差は歴然です。
SUSEとHPE Crayのパートナーシップは、HPEがCrayを買収する前の1990年代前半にさかのぼります。その間、SUSEはSUSE Linux Enterprise Serverの特別バージョンであるCray OSで協業してきました。共同で、ハイパフォーマンスコンピューティング用に強化された、特にフットプリントの小さい低ジッターOSを作成しました。また、HPE Cray OSには、統合されたパフォーマンステストとハードウェアレポートにより、コンピュートノードの効率的な動作を検証するサービスなどの信頼性、可用性、サービス性(RAS)機能が搭載されています。統合されたノードヘルスサービスにより、ユーザーはアプリケーションの起動前にコンピュートノードを検証し、利用可能なリソースを最大限に活用することができます。
もう1つの特筆すべき点は、これらの特別な機能強化によって、FrontierとHPE Cray OSが標準的なLinuxアプリケーションを実行する能力を変えずに、性能、規模、信頼性を強化した点です。HPE Cray OSソフトウェアスイートは、より柔軟なコンテナサポートを統合しており、多くのISVアプリケーションをFrontier上で「すぐに」実行できるよう展開することが可能です。
Frontierの3つ目の特徴は、昨年6月に行われた市販のスーパーコンピューティングシステムによるエネルギー使用量と効率を評価するGreen500リストで、1ワットあたり62.68ギガフロップスの性能で第2位を獲得し、姉妹システムのFrontier Test & Development System(TDS)は第1位を獲得している点です。
SUSE Linux Enterprise Serverと新しいSUSE Linux Enterprise Microバージョンは、多くのシステムやデバイスの組み込みOSとして「隠れて」動作しています。私の娘は、勤務先である有名小売店に配備されたSUSE Linux Point of Service搭載端末の写真を送ってきて、「SUSEがうちのレジを動かしてるなんて知らなかった!」と大喜びしていました。
スーパーコンピュータから端末、医療機器に至るまで、SUSE Linux Enterpriseは世界中の多くの大手メーカーに選ばれています。Rancher PrimeやK3sなど、エッジにおけるクラウドネイティブイノベーションがHome Depotなどの企業で最前線にきているのは言うまでもありません。
さて、これでご理解いただけたと思いますが、もしSUSEと協力して、貴社のサービスを飛躍的に向上させることにご興味があれば、それがどんなものであれ、遠慮なく弊社までご連絡ください。弊社は、御社と共に素晴らしい未来を実現することを楽しみにしております。
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