SUSE®は、「SUSE Linux Enterprise Server 12」で対応可能な論理コア数を8,192コアまで拡大することで、市場最大のシングル・イメージ・システム、SGI UVシリーズをサポートすることを本日、発表しました。これにより、顧客企業はパフォーマンス、エネルギー効率、信頼性の向上した、より高速かつ高性能なハードウェアを今後数年間にわたって活用できます。
独SUSEのエンジニアリング担当バイスプレジデントであるラルフ・フラクサ(Ralf Flaxa)は、次のように述べています。「SUSE Linux Enterprise Server 12の設計は、データセンターでのミッションクリティカルなワークロード処理を念頭に置いています。本製品は、全てのハードウェアアーキテクチャに対し、アプリケーションのセキュリティ、仮想化、システム管理との統合が可能な、高拡張性・高パフォーマンスのソリューションです。SUSE Linux Enterprise Serverは、高度なメモリ管理機能と最新プロセッサーのサポート、Native POSIX Thread Library(NPTL)、高度なマルチパス処理機能とI/O機能を備えており、大規模なサーバ導入環境で最高のパフォーマンスと拡張性を実現します。」
米SGIのシニア・バイスプレジデント兼CTOのイン・リム・ゴー(Dr. Eng Lim Goh)氏は、次のように述べています。「SGIが重視しているのは、ハイパフォーマンスコンピューティングと堅牢な拡張性であり、SUSE Linux Enterprise Serverは、当社のお客様の多くに選ばれているOSです。SGI® UV™システムは、現行のハードウェアでは最大4,096の論理コアに対応しています。ハイパフォーマンスコンピューティングに対する要件は、様々な業界で複雑化が進んでおり、最大8,192コアへの拡張に対応したSUSE Linux Enterprise Serverの新機能をフル活用する次世代版SGIシステムが登場するのも、時間の問題です。両社のコラボレーションによって、SUSE Linux Enterpriseは今後も、業界をリードする高性能クラスタ向けOSとして、今日のこうした新たなビジネスニーズに応えてくれるはずです。」
SUSE Linux Enterprise Server 12、HPC機能を強化
SUSE Linux Enterprise Serverは、64ビットのメインフレームシステム環境に対応した高パフォーマンスLinuxです。SUSE Linux Enterprise Server 12では、拡張性の向上以外にも、大規模システム向けの画期的な機能が多数導入されており、機能向上が図られています。THP(transparent hugepage)のサポートにより、大量のメモリや演算能力を要するワークロードでのパフォーマンスが向上しているほか、マルチキュー・デバイスによるCPU単位の透過的なロードバランサーにも対応しており、パケットフィルタリングの高速化により、ネットワークパフォーマンスが向上しています。また、コントロールグループの強化(I/Oスロットリング機能とメモリcgroupコントローラ最適化機能)により、クラスタ環境でのシステムパフォーマンスも向上します。
SUSE Linux Enterprise Serverでは、ネイティブ/仮想化の環境で複数の仮想マシンが異なるデータセンターワークロードを実行できるほか、高拡張性を実現しており、個々のプロセッサーでスレッドの並列処理が可能です。現在すでに、ハードウェアベンダ各社によって論理コア数4,096、物理メモリ64TBのシステムが認定されており、単一システムでの限界値は論理コア数8,192、1 PB RAMとなっています。
ファイルシステムは、SGI IRIXプラットフォームに由来する高性能ジャーナリングファイルシステムのXFSなど、大規模環境に適したものを選択可能です。対称型の並列クラスタファイルシステムとして唯一、メインフレーム向けLinuxカーネルへの使用を認められたOracle Cluster File System 2(OCFS2)は、クラスタ環境での大規模ファイルのホスティングと実行を念頭に設計されており、高可用性で構成された仮想サーバのディスクイメージのホスティングに適しています。Btrfsは、コピーオンライト機能、統合ボリューム管理機能、チェックサム機能に対応しており、サービスの可用性とデータの完全性を高めます。さらに、最新のスナップショット機能とロールバック機能により、復元性能が向上しました。
SUSE Linux Enterprise Server 12には、Open Fabrics Enterprise Distribution (OFED) 3.12の最新版が提供され、低コスト・高速のリモートダイレクトメモリアクセス(RDMA)ファブリックと、InfiniBandや10 Gigabit Ethernetによる統合相互接続を実現します。このほか、SystemTapやLTTng 2.0といった、システム/パフォーマンストレーシングツールも同梱します。
さらに、SUSE Linux Enterprise 12は、Linux向けに設計された最新のシステム/サービスマネージャー、Systemdをサポートしています。Systemdは、ブートプロセス全体を管理することができ、サービスの起動を並列的に処理できるため、システム起動時には、より多くの作業を同時に遂行できます。CgroupインターフェイスをSystemdに組み込むことで、アプリケーションやスレッドの優先順位の決定も簡単に行えます。
SGI UVについて
SGI UVは、ゲノミクス/生物科学、化学/材料、物理学、統合システム科学、国防、製品設計など、データ集約型のあらゆる分野で意思決定を支援し、イノベーションの加速を実現する理想的なプラットフォームです。このSGI UV製品ファミリの最新版では、画期的なNUMAlink相互接続により、シングルシステムイメージ(SSI)を最大2,048コア(4,096スレッド)まで拡張可能です。SGI UVは、Intel社の最新XeonプロセッサーE5-4600製品ファミリをサポートしており、SUSE Linux Enterprise Serverの未修正版の運用が可能です。SGI UVは、システムあたり4ソケット、1.5TBメモリ以上というIntel社の最新CPUの能力を現時点で活用している唯の一ソリューションです。SGI UV 2000は、単一システムによるスレッド数を最大4,096(CPUのソケット数は256)、キャッシュコヒーレントのグローバル共有メモリを最大64TBまで拡張できます。
UVの優れた汎用性と高パフォーマンスを活用することで、混合型のコンピューティング環境と連携した「解析スーパーノード」の導入時にも、スタンドアロン型の独立したシステムとしての使用時でも、世界中のいかに困難な演算課題も解決可能です。
SUSEについて
SUSEは、オープンソースソフトウェアのパイオニア企業であり、信頼性と相互運用性に優れたLinuxおよびクラウドインフラソリューションを提供することで、企業のコントロール能力と柔軟性を高めています。その卓越したエンジニアリング能力、圧倒的品質のサービス、他の追随を許さないパートナーエコシステムは、20年以上の歴史を誇り、これに裏打ちされた製品とサポートは、顧客企業が複雑な要素を管理し、コストを削減し、自信を持ってミッションクリティカルサービスを提供できるよう支援しています。また、長期的な関係を構築することで、現在および将来にわたり、顧客が成功する上で欠くことのできない、より高度なイノベーションの開発・提供を実現しています。詳細についてはsuse.com/ja-jpをご覧ください。
◇ノベルおよびネットアイキューについて
ノベル株式会社とネットアイキュー株式会社は、The Attachmate Groupの日本法人です。The Attachmate Groupが展開する主なブランドは、Attachmate、NetIQ、Novell、SUSEです。
詳しくは、こちらのサイトをご覧ください。 Novell, Inc. http://www.novell.com/ ノベル株式会社 http://www.novell.com/ja-jp
NetIQ Corporation http://www.netiq.com/ ネットアイキュー株式会社 http://www.netiq.com/ja-jp