仏総合石油エネルギー企業Total社の ハイパフォーマンスコンピューティングに、 SGIとSUSE Linux Enterprise Serverを活用

September 3, 2014


Total社のスーパーコンピュータ「Pangea」、石油・ガス探査分野で従来システムの10倍の演算性能を発揮

Nuremberg, Germany

※本リリースは9月3日にドイツ・ニュルンベルクで発表されたプレスリリースの抄訳版です。

石油・ガスの分野では、新たな貯留層の発見が困難になっており、Total(トタル)社のような企業の間では、膨大な地震探査データの中から機会を見出すため、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)の活用が進んでいます。そして、Total社はこのたび、同社の新しいSGIスーパーコンピュータのオペレーティングシステム(OS)として、「SUSE Linux Enterprise Server」を採用し、パフォーマンス、価格、効率性で最適な組み合わせを実現しました。「Pangea」と呼ばれる同ソリューションは、演算性能が導入前のシステムの10倍にも上るため、Total社は、新たな貯留層をより効果的に特定・開発することが可能となります。

Total社の探査&生産部門HPC担当エンジニア、ディエゴ・クラー(Diego Klahr)氏は、次のように述べています。「SGIプラットフォームでSUSE Linux Enterprise Serverを使用することで、その他のOSオプションよりも、明らかに優れたコストパーフォマンスが得ることができました。当社の見解では、SGIとSUSE Linux Enterprise Serverは、非の打ち所のない統合ソリューションです。」

Total社は現在、世界130カ国で事業を展開しており、株式公開企業としては世界第5位の総合石油・ガス企業です。原油・石油製品の精製・販売・取引・出荷に関する下流工程に加えて、上流工程となる探査・生産業務についても、50カ国以上で展開しています。

Total社の探査・生産部門(Total E&P)の課題は、新たな貯留層の発見能力を継続的に向上しながら、高いコスト効果で生産工程へと展開することにあります。こうしたプロセスでは、振動波を生成し、目に見えない地層構造の反応を測定した膨大な地震探査データを解析/可視化するため、コンピュータの果たす役割が非常に大きくなります。より小規模で到達も困難な貯留層を発見・開発するため、Total E&Pでは、可視化の解像度向上に着手しましたが、これに伴い、利用可能な演算性能を大幅に向上させる必要がありました。

そこで、Total E&Pは、SGI社の協力を得て、水冷式の画期的なM-Cell冷却機構を採用した「SGI ICE X」ハイパフォーマンスコンピューティング・プラットフォームをベースに、最新のスーパーコンピュータ「Pangea」を開発しました。

前述のクラー氏は、次のように述べています。「Pangeaは、数値モデルの実行に関して、極めて強力なソリューションであり、地下の地形を3次元で可視化するための支援を行います。このシステムを使用することで、実行可能なシミュレーションの回数が従来型スーパーコンピュータの10倍となり、潜在的な堆積物を特定して、最善の抽出方法をより簡単に決定できます。」

SUSE Linux Enterprise ServerとSGIのハードウェア、クラスタ管理ソフトウェア、導入サービスを組み合わせることで、Total E&Pでは、強力な性能と効率性を両立させたスーパーコンピュータを実現しています。SUSE Linux Enterprise Server OSは、Total E&Pの専用アプリケーションを対象に、高速かつ安定したプラットフォームとして機能します。また、省スペース設計により、Xeonプロセッサのオーバーヘッドが最小限に抑えられることで、最高のパフォーマンスが得られます。

Pangeaについて

Pangeaは、110,592コアのIntel Xeon E5-2670プロセッサと442TBのメモリを搭載した、2.3ペタフロップの分散メモリ型スーパーコンピュータです。各ノードは、ICE X向けSGI Management Centerの管理する完全並列化環境で、SUSE Linux Enterprise Serverの別個のインスタンスを実行します。スーパーコンピュータTop500リスト(www.top500.org)では、本稿の作成時点で、Pangeaは、業界で使用される世界のハイパフォーマンス・スーパーコンピュータのトップ2に入っています。ソリューションのエネルギー効率を高めつつ、運用コストを可能な限り低水準に抑えるため、SGI社では、自社のM-Cell設計を採用しており、閉ループ型の気流と温水冷却により、熱をホットアイルに閉じ込めることで、全体的な冷却要件を軽減できます。

事例紹介の全文は、suse.com/success/stories/total.htmlでご覧いただけます。

SUSEのハイパフォーマンスコンピューティングについての詳細は、suse.com/products/server/hpc.htmlをご覧ください。

SUSEについて

SUSEは、オープンソースソフトウェアのパイオニア企業であり、信頼性と相互運用性に優れたLinuxおよびクラウドインフラソリューションを提供することで、企業のコントロール能力と柔軟性を高めています。その卓越したエンジニアリング能力、圧倒的品質のサービス、他の追随を許さないパートナーエコシステムは、20年以上の歴史を誇り、これに裏打ちされた製品とサポートは、顧客企業が複雑な要素を管理し、コストを削減し、自信を持ってミッションクリティカルサービスを提供できるよう支援しています。また、長期的な関係を構築することで、現在および将来にわたり、顧客が成功する上で欠くことのできない、より高度なイノベーションの開発・提供を実現しています。詳細についてはsuse.comをご覧ください。

◇ノベルおよびネットアイキューについて

ノベル株式会社とネットアイキュー株式会社は、The Attachmate Groupの日本法人です。The Attachmate Groupは、Attachmate、NetIQ、ノベル、SUSEの4事業部を統括しています。

詳しくは、こちらのサイトをご覧ください。

Novell, Inc. http://www.novell.com/ ノベル株式会社 http://www.novell.com/ja-jp

NetIQ Corporation http://www.netiq.com/ ネットアイキュー株式会社 http://www.netiq.com/ja-jp