2011年以降、SUSEとSAPは、お客様が導入を拡張し、複数のノードや真のビッグデータ環境を構築できるよう、SAP HANAの拡張性と可用性の向上に継続的に取り組んできました。

SAP HANAの高可用性とディザスタリカバリを実現するため、SAPは3つのメカニズムを提供しています。そのうちの1つが、SAP HANAシステムレプリケーションです。SUSEは、SUSE Linux Enterprise High Availability Extension (SUSE Linux Enterprise for SAP Applicationsに含まれている)と2つの新しいリソースエージェントを使用してこの機能を強化しており、SAP HANAシステムのディザスタトレランスの向上を実現します。

SAP HANAスケールアップ環境のディザスタリカバリ
このシナリオは、シングルボックスのレプリケーションです。あるコンピュータから他のコンピュータにSAP HANAデータベースをレプリケーションして、システム障害に対応することができます。SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsでは、新しいSAP Hanaリソースエージェント(RA)を使用して、SAPデータベースのレプリケーションを確認します。マスタノードがプライマリモードでのSAP HANAデータベースの稼働を担当し、スレーブが同期(セカンダリ)ステータスで稼働するインスタンスを担当します。

このソリューションにより、次のことが可能になります。

  • ハードウェア障害に起因するリスクの軽減
  • SAP HANAメモリのプリロードによる引き継ぎ時間の最適化

クラスタ構成の簡素化
SUSEは、クラスタ構成をできるだけ簡素化できるように、2つ目のRAであるSAP Hana Topologyリソースエージェントをソリューション内に含めて提供します。このリソースエージェントは、SUSE Linux Enterprise High Availabilityクラスタのすべてのノードで動作し、SAP HANAシステムレプリケーションのステータスや構成に関する情報を収集します。

SAPがSAP HANAとの連動にSUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsを採用した理由

  • スケールアップおよびスケールアウトのオプションの多さ: ストレージ、ファイルシステム、ネットワーキングの拡張により、より適切なスケールアウトオプションが利用できます。最新の業界標準スケールアップハードウェアをサポートしており、仮想CPUとメモリ制限が向上しています。
  • 最高レベルの企業向けサポート: SAPとSUSE両社の統合プライオリティサポートと保守サービスをシームレスに利用できます。
  • パフォーマンス: CPUとメモリの負荷が高い状態でも、常に極めて高いアップタイムとパフォーマンスを実現します。SAPとSUSEによる共同の検証と認証が組み込まれているため、ソフトウェアの互換性が確保されています。
  • ビジネス継続性: SUSE Linux Enterprise High Availability Extensionが組み込まれています。これは、物理および仮想Linuxシステムに対応した統合クラスタリングソリューションです。
  • 迅速な導入: SAPアプリケーションを、数日ではなく、数時間で導入できます。

ソリューションガイド: SUSE Linux Enterprise Server for SAP ApplicationsでのSAP HANAシステムレプリケーション 詳細はこちら