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業種: Banking & Financial Services
所在地: Japan

三菱東京UFJ銀行がSUSE Linux Enterprise Serverを採用

ハイライト

  • 複数サービス間の柔軟な連携を実現
  • 新サービスの迅速な展開が可能に
  • 膨大なトランザクションの管理

製品

三菱東京UFJ銀行がSOAプラットフォームのOSにSUSE Linux Enterprise Serverを採用し、高速かつ柔軟な業務システムを実現。

概要

三菱東京UFJ銀行は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の中核行として、お客さまや社会から強い支持を受け、日本経済のみならず世界経済にも貢献する「世界有数の総合金融グループ」を目指しています。三菱東京UFJ銀行は、グループ理念である "Quality for You "のもと、お客さまのあらゆる金融ニーズにお応えする最高水準の商品・サービスを提供しています。

課題

三菱東京UFJ銀行では、既存のメインフレーム上で稼働しているサービスから、最新のLinuxオペレーティングシステム(OS)上で稼働しているサービスまで、すべてのサービスをシームレスに連携させるフレームワークを必要としていました。
三菱東京UFJ銀行銀行システム部基盤第一グループ 次長の佐藤由一氏は、「その都度、ゼロからシステムを再構築するのは、コスト的にも厳しい状況でした」と話します。「既存システムを検討する中で、過去に実装した機能を新システムで再利用できないかと考えるようになりました」

「SOAプラットフォーム向けのSUSE Linux Enterprise Serverの安定運用の実績を積み重ねることで、当行の他基幹業務でのさらなる拡張と活用につながると考えています」

SUSEソリューション

三菱東京UFJ銀行は、サービス指向アーキテクチャ(SOA)システムのメインハードウェアプラットフォームとして、基幹システム構築で実績のあるIBM z Systemsメインフレームを採用しました。OSには、z Systemsのハードウェアに適したSUSE Linux Enterprise Serverを採用し、SOAプラットフォームのコアとなるESBを稼働させました。
2010年12月、三菱東京UFJ銀行は、初のSOAプラットフォームベースのアプリケーションとして、行員が1回の操作で複数のトランザクションを実行できるバッチ照会システムを立ち上げました。
「従来は、行員1人分のデータを取得するために、複数の問い合わせを行う必要がありました。しかし、この新サービスを導入したことで、1回の操作で必要なデータをすべて取得できるようになりました」と佐藤氏は話します。
導入は成功し、三菱東京UFJ銀行は2011年2月までに全支店でこのアプリケーションを活用。
三菱東京UFJ銀行内の他の事業者からも、このSOAプラットフォームの利用を求める声が増えており、三菱東京UFJ銀行では、今後、処理するトランザクション量が急増すると予測しています。
佐藤氏は、「今は1日あたり数万件のトランザクションを処理していますが、1年後にはその100倍程度のトランザクションをSOAプラットフォームで処理したいと考えています。SUSE Linux Enterprise Server on IBM z Systemsを採用した理由の1つは、これだけのトランザクションを処理できることでした」と導入にいたった理由を語りました。

結果

z SystemsとSUSE Linux Enterprise ServerをSOA環境に採用した結果、TCO(総所有コスト)がどのように改善されたのか、三菱東京UFJ銀行 システム本部 システム基盤第一部 シニアマネージャーの中嶋邦明氏は次のように説明します。「今回、SUSE Linux Enterprise ServerでSOAを構築したことで、z/OSと同じミドルウェアで構築するよりもTCOが大幅に削減できました。IAサーバでは、システム稼働中にリソースの20%程度を空けておく必要がありましたが、z Systemsではリソースを100%使用しても稼働し続けることができ、これもメリットの1つでした」

SUSE Linux Enterprise Serverを採用したもう1つの理由は、その高い安定性でした。

三菱東京UFJ銀行 システム本部 システム基盤第一部 調査役の田上哲也氏は、「フルSOAプラットフォームを立ち上げた際も、SUSE Linux Enterprise Server関連のトラブルはありませんでした。移行は安定しており、OSは終始スムーズに動作したため、私たちはビジネスサービスの開発に集中することができました。このSOAプラットフォームの構築には限られた時間しかなかったので、限られた時間で最高品質のSOAを構築することが非常に重要でした」と話します。

さらに、Linuxを取り巻くオープンソースコミュニティには、一般に公開されたソースコードが蓄積されているという利点もありました。

「コードを分析することは基本的にないのですが、予期せぬトラブルが発生しても、ソースを調査して問題を特定し、適切な解決策を導き出すことができました」と佐藤氏は話します。

注:本書に記載されている情報は、2011年11月現在の三菱東京UFJ銀行のSUSE Linux Enterprise Server for z SystemsおよびLinuxONEの導入状況を反映したものです。