IDCフロンティア、Rancher Primeによる新サービスを開始

ハイライト

  • マネージドコンテナサービスを提供
  • デジタルサービスの新規開発にかかる時間を50%以上短縮
  • Kubernetesのアップグレードを自動化することで、付加価値の高い活動に時間をかけられるように

製品

ソフトバンクグループの法人向けデジタルインフラ事業会社であるIDCフロンティアは、東京に本社を置くクラウドサービスおよびデータセンターのリーディングカンパニーです。首都圏、東日本、西日本に大規模データセンターを展開し、全国のお客様に高品質なソリューションを提供しています。IDCフロンティアは、ネットワークセキュリティや運用監視のほか、クラウドコンピューティングサービスやストレージサービスなど、包括的なサービスを提供しています。同社は、基盤となるインフラストラクチャをシームレスなものにしながら、すべてのお客様が革新的なデジタルサービスから最大限のビジネス上の利益を得ることができる未来を創造することを目指しています。

概要

株式会社IDCフロンティアは、日本における革新的なクラウド・サービス・プロバイダー(CSP)として、新規サービスの市場投入までの時間を短縮し、お客様が最新のテクノロジーを活用できるようにしたいと考えていました。KubernetesとSUSEのソリューション (Rancher Prime、SUSEテクニカルサポート)を組み合わせることで、IDCフロンティアはマルチクラウド・マルチインフラに対応したマネージド・コンテナサービスを日本市場に投入しました。さらに、Rancher Primeの強力な自動化機能により、同社は社内開発プロセスを加速し、Kubernetesの運用に伴う追加の管理オーバーヘッドを最小限に抑えることに成功しました。

コンテナへの道のり

IDCフロンティアは常に業界をリードする立場にあることを目指しており、お客様が新技術のアーリーアダプターになる機会と、これらの技術に素早く適応するアドバンテージを提供しています。コンテナ化に対する注目度が高まるにつれ、同社はそのメリットを日本全国のお客様に届けたいと考えるようになりました。メリットとしてはたとえば、システムリソース要件とコストの削減、アプリケーションの迅速な導入、クラウドプラットフォーム間でアプリケーションを移行する際の移植性の向上などが挙げられます。

IDCフロンティアは、IDCFクラウドコンテナという新製品の基盤テクノロジーとして、コンテナ化されたアプリケーションの導入、拡張、管理をサポートするように設計されたKubernetesを選択しました。大規模なマルチテナント環境をvanilla Kubernetesで管理するのはコストがかかり複雑であると認識したIDCフロンティアは、運用を簡素化および自動化する方法を模索していました。

「SUSEは、当社と同じようにオープン・ソース・ソフトウェアにコミットしているパートナーです。成功をもたらす協力関係がこれからも長く続くことを期待しています」

SUSEソリューションを選択した理由

Rancher Prime

IDCフロンティアは、IDCFクラウドコンテナの明確なロードマップを作成しました。当初、このサービスは社内ユーザーに焦点を当てたものでした。その後、日本国内の顧客ベース全体にこのソリューションを公開する予定でした。仮想サーバーおよびベア・メタル・ サーバー上でのパブリッククラウド環境およびプライベートクラウド環境については社内に豊富な専門知識がありましたが、Kubernetesについてはまだ経験がありませんでした。 

Kubernetesの管理の簡素化、自動化、高速化を実現するため、IDCフロンティアはSUSEのRancher Primeの採用を決定しました。これにより、同社の社内チームは、コンテナの管理と保守を手動で行うという負担を負わずに、Kubernetesに関する貴重なスキルを習得できるようになりました。

SUSEテクニカルサポート 

IDCフロンティアは、Rancher Primeの採用からその後の利用に至るまでずっと、SUSEテクニカルサポートサービスを利用しています。このサービスでは専門家によるアドバイスや修正に迅速にアクセスできるため、 技術的な問題に悩まされずに新しいビジネスアプリ ケーションを推進するうえで役立っています。

Rancher Primeの効果

迅速なスタート

Rancher Primeを使用することで、IDCフロンティアはKubernetesベースのコンテナ化ソリューションの導入を迅速に開始することができました。Rancher Primeの非常に直感的なユーザーインターフェイスにより、社内チームはKubernetes環境の構築と管理に比較的容易に取り掛かることができました。

IDCフロンティアのサービス主管である藤城拓哉氏はこのように述べています。「Rancher Primeの ワンプッシュデプロイメント機能に非常に感銘を受けました。このおかげで、新しいコンテナ化ビルドを迅速かつ容易に本番環境にデプロイすることができました」

新しいサービスの提供能力の強化

IDCフロンティアはSUSEとの協業を通じて、日本で新しいマネージドコンテナサービスを市場投入することに成功しました。現在、同社はRancher Primeを利用して、クライアントだけでなく自社の社内ユーザーにも信頼性の高いKubernetesプラットフォームを提供しています。

IDCフロンティアの技術主管である梶川治彦氏は次のように述べています。「Rancher Primeの主なメリットの1つは、複雑なKubernetes環境でも簡単に管理できることです。当社には、Rancher Primeのようなソリューションを社内開発できるほど社内にリソースがいませんでした。このような管理プラットフォームがなければ、Kubernetesサービスをエンドユーザーに提供することはできませんでした」

市場投入までの時間の短縮

IDCフロンティアは、コンテナ化された環境を自社の開発チームにオンデマンドで提供することで、新製品や新サービスの開発を劇的に加速させています。

以前であれば、社内向けのデータベースサービスの開発に2年程度かかっていたかもしれません。藤城氏はこう述べています。「KubernetesとRancher Primeを使えば、同じ作業を1年かけずに完了できます。つまり50%以上早くなります。私たちの業界では、成功するためには継続的なイノベーションが不可欠です。SUSEとのパートナーシップを通じて、当社は市場の一歩先を行くことができます」

管理の複雑さを最小化

高いレベルのセキュリティとパフォーマンスを維持するために、IDCフロンティアはKubernetesプラットフォームのパッチ適用とアップグレードをタイムリーに行う必要があります。手動ツールに頼って環境を管理していたのでは、この作業で社内リソースが大幅に消費されることになります。しかし、Rancher Primeを使用すれば、すべてのプロセスがシームレスかつ自動的に行われます。

「SUSEはクラウドコンピューティング企業であり、新しいKubernetesビルドを利用できるようにすることは、同社のコアビジネスの一部です」と梶川氏は説明します。「Rancher Primeを使用すれば、何時間もかけてコマンドを入力しなくても、Kubernetesの最新バージョンへのアップデートが可能になります」

 

SUSEテクニカルサポートの効果

 

SUSEテクニカルサポートは、同社の成功に大きな影響を与えました。藤城氏はこう述べています。「コンテナサービスのローンチにあたり、SUSEテクニカルサポートから提供されたサポートは素晴らしいものでした」

 

IDCフロンティアの次の目標

新規のお客様をIDCFクラウドコンテナサービスに着実に取り込んでいくなかで、IDCフロンティアはSUSEとの協業を継続できることを歓迎しています。同社は、次世代KubernetesディストリビューションRKE2によるガバナンスとコンプライアンス機能の強化、Longhornによるクライアント向けの新たなクラウドネイティブ分散ストレージオプションの追加、NeuVectorによるコンテナセキュリティの強化を計画しています。

梶川氏はこう締めくくります。「SUSEは、当社と同じようにオープンソースソフトウェアにコミットしているパートナーです。成功をもたらす協力関係がこれからも長く続くことを期待しています」